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目黒寄生虫館デート [妖怪変化な日々]

ここ何年もず〜っと、行きたいと思っていた、
目黒寄生虫館に、ダンナさんと二人で行って来ました。

あの・・・ニョロニョロ系の虫が苦手な方は読むのをやめて下さいね・・・
(といっても、写真を載せるでもなし、
特にグロテスクな日記ではないと思いますが)

なんでず〜っと行きたいと思っていたか、
あるいは、そもそも何で目黒にそんなものがあると知っていたのか・・・

実はそれはダンナさん情報だったのです。
ダンナさんは中学〜高校〜大学〜就職の初年度まで、
ず〜っと目黒に住んでいました。
そして、その目黒寄生虫館は、
ダンナさんが通っていた中学校のすぐ近くにあったのです。

それで、かねてよりダンナさんから、
「目黒には、寄生虫の博物館があるんですよ、
行ったことないけど・・・。」と聞いておりました。

寄生虫・・・実際には一度も本物を見た事がなかったので、
(私が小学生の頃は、まだギョウ虫検査というものがありましたが、
私自身からは出た事がなかったのです。
ちなみに、ダンナさんはあるらしい・・・
虫下しを飲んだあと、トイレで・・・当時はまだ○っ○○便所の時代・・・
壮絶な体験をして、ちょっとトラウマになっているらしい・・・)
ちょっと見てみたいような・・・

でも、ニョロニョロと長いものに
そんなに親近感を感じてはいない私としては、
怖いような・・・でも怖いもの見たさもあるような・・・
(こういった虫達は、妖怪とも近い世界の住人のような気はするのですし・・・)

でも、最初はそんなに熱い思いを持って、
行きたい!と思っていた訳ではないのですね・・・
ところが、ある日、あるヒトとの出会いによって、
その思いは俄然、熱を帯びて来たのです!

それは、てのはしのお茶会「ほっ友」専属パティシエ(?)、
N子ちゃんです。

N子ちゃんは栄養士さんで、とても忙しい身でありながら、
毎月の「ほっ友」のために、季節のおいしいお菓子を
作って来て下さる、可愛い女の子です。
(女の子、と言っては失礼な、立派な大人の女性なのですが、
何かいつまでも可愛いN子ちゃんです。)

そのN子ちゃんが、ある日「ほっ友」の仲間で集まった時に、
その容貌とは裏腹に、
寄生虫をこよなく愛するヒトであることが発覚しました。

キラキラとした眼差しで、
「ああ、目黒寄生虫館は、すごく良いですよ!
○○博士の研究の○○虫とか、××虫とか、いっぱい見られるんですよ!
ぜひあそこには一度行って下さい。」
と言うのです。

しかもその知識はハンパではない様子、
○○博士なんて、知らなかったよ・・・

なんで栄養士さんが寄生虫?と一瞬思ったのですが、
寄生虫は、食品を通してからだに入って来ることが多いようなので、
それで栄養士の知識として必要なんだろう、と納得しました。

そんな、N子ちゃんの熱い熱い推薦があったのならば、
行かないでいることなどできようか・・・?
いや、できない!

という訳で、それ以来、目黒寄生虫館は、
私達がいつか行かなければならない所リストに入っていたのでした。


そして一昨日、ちょっと時間差でお盆休みが取れたダンナさんと二人、
目黒に向かったのでした。

私にとっては、目黒駅はいつも、通り過ぎる駅であり、
降り立ったことがありませんでいた。

しかし、ダンナさんには、十年以上も暮らした土地、
駅に降り立つなり、
「あっ!あの本屋がまだある・・・そのもう少し先に、
確か吉野家があって、よく入りました・・・あっ!まだある!」
と、いつももの静かなダンナさんにしてはかなりコーフン気味・・・

就職して2年目に現在のマンションに引っ越して以来、
一度も目黒に降り立ったことがなく、
実に二十ン年ぶりに目黒に来たらしいです。

駅からバスに乗って(乗ってからも、ダンナさんは、
なつかしい風景にずっとコーフンしていました。)、
二つ目のバス停を降りると、ありました!

「目黒寄生虫館」!!

なんと、7階建ての立派なビルです。

ダンナさんが、「昔はもっとボロい、
木造か何かの建物だったと思います・・・すごいなぁ。」
と感動していました。

でも、寄生虫なんて、普通の人はあまり見に来たりしないだろう・・・
多分、水族館に行くのなんかよりもずっと、すいているだろう・・・
(実は、水族館も、私達が嬉々として赴く、数少ない施設のうちの一つです。
うちでは、娯楽施設といったら、「ネズミーランド」よりも、
「ユニバーサルステュディオじゃ〜ん」よりも、水族館、なのです。)

しかし私達は建物に近づくにつれて、それは全くの誤算であったことを
悟りました。
なんか人がいっぱい入ったり出たりしているし、
窓ガラスには、お子様がたむろしているのが見えるよ・・・

そして、寄生虫館の建物に入ると、
たくさんの大人と子供が、ガラスケースの前に群がっているではないですか!

何、この人気(にんき)?

でも、後で知ったところ、ここは意外にも!
最近はデートスポットとしても隠れた人気を誇る場所らしい・・・

へぇ〜〜〜・・・

まぁ、気を取り直して、私達もガラスケースにへばりつきました・・・。

あぁ、何か、とっても学問です!
ホルマリン浸けです!瓶です!専門用語です!
おまけに手描きの文字が小さかったりカスレていたりして、
よく読めないところもあります!

しかも、虫はとても小さいものが多いです!
まぁ、人や動物の体内に、こっそりと入って、
気がつかれないように生きて行く彼らなので、
小さいのが多いのは当たり前なのですが・・・

でも、見学者のために虫眼鏡で拡大しておいてあげよう、
なんていうサービス精神はあまりないらしいです・・・
どんなに目を凝らしても、ゴマ粒とか切れたゴムひもみたいなのが
瓶の中に浮いている、としか思えないようなのが、ガラスケース内に
ところ狭しと、いっぱい並んでいます。

でも、そういうところがいいです!
今はどんな施設もお店も、お客を効果的に呼ぶための研究をしすぎていて、
どこへ行っても至れり尽くせり・・・
こちらが努力をしなくても、気持ち良く見られるようにしてあるのが、
当然さ・・・みたいな施設ばかり・・・
(おまけにお客にアンケートなんか取って、
もっと至れり尽くせりにしようとしたりするのです・・・)

いや・・・もちろん、それは良い事だと思います。
そうすれば実際にお客さんが増えるだろうし、
お客さんも気持ちよく、効率的に目的を達することができて、
みんなニコニコできることでしょう・・・

でもね・・・人間って、そういうところでばかり
生きていてはいけないように思うのです・・・

たまには、「何これ?全然わからない・・・」なんて言いながら、
虫眼鏡もない、照明も暗めで見やすくない、
見えにくいけれど、見せるために収集されたのではない、
本物の資料を、ワクワクしながら、不便を感じながら、
努力しながら見る・・・

実は、今の見学施設ではなかなかできない、そういった体験を、
この目黒寄生虫館では、できるのではないか、
と、そんなことを思いました。

とにかく、ツブツブとかニョロニョロとかがいっぱいいたなぁ、
という印象ですが、
実はそのニョロニョロタイプも、頭を拡大すると、
色々な頭の形があるらしい、というような、
学術的なこともわかりました。
(頭の部分で他の動物にひっついたり、かみついたり、
頭だけ組織の中に潜り込ませたり、色々なくっつきかたをするらしい)

その目的によってバラエティのある頭の形、
(その拡大模型が展示してありました)
今風に言えば、「キモイ」ということになるのでしょうか・・・
でも、「神様、何でそんなデザインに・・・?」というような、
私達の感覚をかけはなれた様々な形で、
思わず凝視してしまうのでした。

あ、あと、多分、入館者の誰でもが感動する資料としては、
8メートルを超えるサナダムシのホルマリン浸けがありました。
ここはやっぱりみんなが立ち止まって、「おぉ!」とか言いながら、
写真なんか撮っていました。(写真撮影は自由でした)

それから、実はものすごく感動したことがあります。
それは20世紀、2度の世界大戦にもめげずに
寄生虫の研究をして来た学者さん達の資料です。
(人間が生きて行くために必要な学問なので、
戦時中は却って奨励されたのでしょうね。)

山口博士という研究者の資料が展示されていたのですが、
顕微鏡下で見たものを、そのまま写真等に残す技術のなかった時代、
寄生虫のからだの作りを、それはそれは細かく美しく、手描きしてあるのです。

私はその美しさにうなりました。

学者さん達は、ただただ、正確に写して、良い研究を残そうとなさった、
ということなのでしょうが、
私はそこに「愛」♪を感じてしまったのです。

学者さん達には、もちろん、寄生虫で亡くなる人を撲滅しよう、とか、
世界の色々な寄生虫を調べて、分類して後世に残そう、といった、
そういう社会的な使命もあったでしょうし、
戦争中ならば、お国のために、なんていう大義名分もあったことだと思います。

でも、それ以上に、学者さん達をここまで心をつくした研究に駆り立てたもの、
それは、「寄生虫が好きで好きでたまらない!」という、
寄生虫そのものへの愛だったのではないか、と感じたのです。

本当にあの寄生虫の絵は、美しい、と思いました。

帰りには、館内の小さなショップに寄って、
目黒寄生虫館特製Tシャツを、ダンナさんとペアで、
(リアルなサナダムシTシャツもあったのですが、それはダンナさんに止められ、
良く考えたら、どこにも着て行けない、と思ってやめました。)
それから、寄生虫のシール(寄生虫の写真がシールに・・・うぅ・・・
お手紙に貼れば、かなりのインパクト!)を買って来ました。


ダンナさんは、昔のトラウマがよみがえって、
ちょっと「うっ・・・」となっていたようですが・・・


帰りには、ダンナさんの通っていた図書館とか、
あこがれていた女の子が住んでいたあたりとかをまわって、
昔ダンナさんが住んでいた社宅にも行ってみたのですが、
なんと、社宅の建物は取り壊され、更地になってしまっていました。
(T_T)(T_T)

まぁ、色々な意味で、感慨深いデートでした。
な〜んか長くなってすみません。
終わり。


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ラミーキッズ

夫婦で寄生虫館。絶対に考えられないコースですね。
めうさんだったらそれが容易に想像できるところが
何ともすばらしい。これからもお二人でマカ不思議ライフを
送ってくださいな。(^o^)
by ラミーキッズ (2008-08-14 07:49) 

めう三毛女

ラミーキッズさん、
こういう変なところって、夫婦のどちらかが
「いやだ〜!」と言えば、即却下だと思うのですが、
夫婦二人して、「行かなくては!」「ぜひ行きましょう!」
と盛り上がってしまうところが、
神様の巡り合わせというか、バカップルというか・・・
これからもこういった方面は、ますます加速すると思われます。
どうしましょう・・・(^_^;)
by めう三毛女 (2008-08-14 12:18) 

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